人がなかなかできないことをできている
ということにやりがいを感じています

機械に材料の金属パイプをセットしてスイッチオン、パイプが数カ所曲げられていきます。次の材料を拭き、曲げられている途中のパイプにそっと手をふれ、まっすぐに見つめる・・・その瞬間が美しくて、何を感じていたんですか？と聞いたところ、「音だな」と。部材が曲げられるときに生じる微細な音で、きちんと曲げられているかどうかがわかるのだそうです。 小畑さんが担当するこの機械はパイプベンダーといいます。出会ったのは12年前、齢50も近い頃のことでした。それまで20年以上パンチングをされていましたが、会社が新しく導入することになったこの機械の担当として選ばれたそうです。詳しく教えてくれる人もなく、知らないところからの出発、持ち前のものつくりへの情熱と研究心で取り組んでこられました。「同じ材料でも、在庫されていたものか、できてすぐのものかでも曲がり方が違うからね。」と、三次元での加工であるこの仕事は実に難しく、現在も小畑さんだけができる仕事です。
ちなみに、仕事以外の楽しみは何ですか？と聞いたところ、「昔はカメラとか無線とかもしたけど、今、休みは草刈りや百姓で忙しいからのー」と。そして少し考えてから「あ！晩酌が楽しみだわ！」と最高の笑顔を向けてくれました。大変なことも明るくカラッと話される小畑さん、技術の素晴らしさだけでなく、会社も地域も明るくされる存在です。

後継者を育てる必要はありますが、人がなかなかできないことをできている、ということにやりがいを感じています。

わからないことが多いこと。誰かが教えてくれるわけではないので、自分で考えてできる方法を見つけ出しています。

無駄なことをしないこと。不良を作らず、時間的にもですね。何が会社にとって大事かというと損失を出さないことだと思うので、そのように努めています。